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欲望のバージニア

余所から引っ越してきて、今年5月はじめに開設したこのブログですが、
ジャスト2ヶ月となる昨日、ついにユニークアクセスが3桁を記録しました。
こんなに早く3桁を達成できるとは夢にも思わず、本当にありがとうございます。
でも一昨日から急に倍近く伸びているので、昨日は検索エンジンの機嫌もよかったのかも。
なので3桁を維持し続けるのはまだ無理そうかな。

さて先日、第35回モスクワ国際映画祭が開催され、
GALA部門の特別作品賞を日本映画『少年H』が受賞しましたが、
なんとコンペ部門でも日本映画『さよなら渓谷』が審査員特別賞を受賞しました。
現在上映中の『さよなら渓谷』は、スルーするつもりでいたのですが、
四大国際映画祭の受賞作ともなれば、観に行かないわけにはいきませんね。
さっそく今週中にも観に行きたいと思います。
ちなみに『少年H』はもともと観に行くつもりでした。

ということで、今日は四大映画祭のコンペ部門に選出された映画の感想です。

欲望のバージニア
Lawless.jpg

2013年6月29日日本公開。
シャイア・ラブーフ、トム・ハーディら共演の犯罪ドラマ。

禁酒法時代のバージニア州、ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスで幅を利かせていた。野心家の三男ジャック(シャイア・ラブーフ)は牧師の娘バーサの気を引こうと苦心し、リーダー格の次男フォレスト(トム・ハーディ)は、シカゴから来たワケありの過去を持っていそうな女性マギー(ジェシカ・チャステイン)と恋仲になる。そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクス(ガイ・ピアース)が法外な賄賂を求めてくる。レイクスの要求を拒否した兄弟は、非道な脅迫にさらされることとなり……。(シネマトゥデイより)



本作は第65回カンヌ国際映画祭のパルムドールにノミネートされたハリウッド映画です。
結局受賞には至りませんでしたが、パルムドールなんて退屈な芸術作品の賞なので、
受賞出来なかった本作は、パルムドール向きではない娯楽作品の可能性が高いです。
実際に観てみると、やはり娯楽的な作品でした。
多少バイオレンスを含むギャング映画で、なぜこれがカンヌに呼ばれたのか不思議なほど。
もちろんこれも褒め言葉ですよ。

1931年が舞台の本作ですが、その頃のアメリカは禁酒法時代です。
先月公開された『華麗なるギャツビー』もその頃を時代背景にしてますが、
禁酒法時代を背景にしたハリウッド映画がまた増えてきている気がしますね。
その時代はアル・カポネとかが登場したギャング全盛時代なので、
ギャング映画が流行っている影響もあるかもしれません。
ボクは禁酒法時代のことは詳しくないですが、要は国が酒の販売を禁止した時代ですよね。
でも『華麗なるギャツビー』曰く、逆に酒が最も消費された時代でもあったみたいです。
表立って商売できないから、密造密売が横行しますが、
正規ルートじゃないから酒税もかからず、逆に安く買えて消費が増えたとか?
「お酒は社会悪だ」という決め付けで施行された禁酒法ですが、
それによって酒を密売するギャングの資金源となり、犯罪も増えたそうです。
犯罪を減らすつもりで規制したら逆に犯罪が増えたといういい例で、
日本も大麻合法化や児童ポルノ改正法案で、この失敗例を参考にするといいかもね。

そんな禁酒法時代に、バージニア州フランクリン群に、
酒の密造で名を馳せるボンディランド3兄弟がいました。
武闘派な長男ハワードとカリスマ性のある次男フォレストは皆から一目置かれていますが、
三男ジャックはどうも頼りない若造で、商売も任されず兄たちの運転手をしています。
でも野心だけは人一倍で、狂犬と呼ばれるギャングのボス、フロイド・バナーに憧れ、
いつかデカい商売をしてやろうと、相棒の技師クリケットと酒の密造をします。
リーダー格で威厳があるから、てっきりフォレストが長男かと思ったけど、
最後に本物のボンディランド3兄弟の子供時代の写真を見て、その間違いに気付きました。
あ、ちょっと信じ難い展開もある本作ですが、実話が基になっており、
三男ジャックの孫が書いた伝記小説が原作となっています。
ですがこの原作者は、本作を見る限り、自分の祖父のことをかなり悪く書いてますね…。

フランクリン群は密造業者だらけの村で、ボンディランド兄弟は中心的な存在です。
ある日、新しい検察官が赴任して来ますが、彼は村の密造業者に賄賂を要求します。
彼の右腕である特別補佐官レイクスはギャング顔負けの乱暴者で、
密造業者は次々と検察官の要求を飲みますが、ボンディラン兄弟は彼らを無視します。
腹を立てたレイクスは、弱虫の三男ジャックを見せしめにボコボコにします。
その時のジャックの捨て台詞が「こんなことをして兄貴が許さないぞ」でしたが、
彼が自分では何もできないヘタレであることがよくわかりますね。
でも一応ボンディランド兄弟のひとりなので、兄の七光りで彼も有名人です。
彼が主人公ですが、自分の立場を鼻に掛けているところがムカつきます。
ジャックを演じるシャイア・ラブーフは、そんな役柄が多いです。
彼の代表作『トランスフォーマー』でも、オートボットとコネがあることを鼻に掛け、
『ウォール・ストリート』でも金融王ゲッコーに取り入る若手投資家の役でしたが、
虎の威を借る狐的な情けない役ばかりで、ラブーフ自身も嫌いになりましたが、
本作を観て更にその嫌悪感が強くなってしまいました。

次男フォレストが商売を任せてくれないことに痺れを切らしたジャックは、
勝手にギャングの狂犬バニーとデカい取引を始めようとしますが、
やはり見事に騙されて、彼は相棒クリケットと一緒に生き埋めにされかけます。
しかし彼は「僕はジャック・ボンディランドだぞ」と、またしても兄の威光を振りかざし、
ギャングも兄弟には一目置いているようで、彼の素性を知って取引を成立させるのです。
ジャックはデカい商売を成功させたことで増長し、兄たちにも不遜な態度を取りますが、
兄たちの威光がなければギャングに殺されてたのに、まるで自分だけの手柄のように…。
その取引で大金も手に入ったので、好きな女の子を口説くために、
高級スーツや高級車まで買い、調子コキまくるのです。

更にジャックは、自慢したいがために彼女を兄弟の蒸留所に連れて行きます。
1日1000ガロンもの酒を密造できるフランクリン群最大の蒸留所ですが、
禁酒法時代なので、人目に付かない山奥にこっそり立ててあります。
そこに部外者を連れ込むばかりか、レイクスら取締局に尾行されているのにも気付かず、
その結果、取締局によって踏み込まれ、蒸留所は爆破されてしまうのです。
自分は無事に逃げ切りますが、蒸留所で作業中だった相棒クリケットは、
くる病で足に障害があるため捕まり、レイクスに首をへし折られ殺されます。
相棒の死を知ったジャックは「ハエも殺さないいい奴なのに酷すぎる」と泣き、
レイクスに復讐しようと心に決めるのですが、オマエがこの事態を招いた張本人で、
クリケットが死んだのはオマエの軽率な行動のせいだろ、と…。
もうジャックのダメさ加減には、怒りを通り越して呆れます。
暫らくはラブーフの顔も見たくないと思うほど、嫌いなキャラです。

長男ハワードの制止を無視して、ひとり復讐に向かうジャックですが、
その復讐方法は全くのノープランで、レイクスの所に着くなり脇腹を撃たれます。
そのまま蜂の巣にされそうなところを、助けに来た兄らに救助されますが、
彼を守って次男フォレストがレイクスに撃たれてしまい…。
本当に最後の最後まで足を引っ張る困った弟で、フォレストの苦労が思いやられます。
その時フォレストは体中に5~6発銃弾を浴びたと思うのですが、
なんと彼は2週間ほど入院しただけで、元気に退院してしまうんですよね。
彼は「不滅のボンディランド」なんて言われていましたが、本当に不死身ですね。
その前にもレイクスの手下に、ナイフで首元を真一文字に切られたりもしたけど、
絶対頸動脈も切れてたはずなのに、それもちょっと入院したら治っちゃいました。
首を切られた時も、瀕死状態だったのに自分で30キロ先の病院に歩いて行ったそうで…、
…てのは、後に噂だとわかりますが、そんな都市伝説が信じられてしまうほどで、
こんな無茶苦茶な人物が実在していたとは到底信じられません。
ラストに酔っぱらって凍った池に転落した時は、さすがに死んだかと思いましたが、
次の瞬間には、何事もなかったかのように池から這い上がって来ました。
でも結局それがキッカケで、肺炎で亡くなりますが、まさかの病死とは意外でした。

ダメすぎる三男ジャックと、凄すぎる次男フォレストに比べると、
長男ハワードの存在感は少し薄い気がしますが、彼の異常さもなかなかのものです。
なにしろ、レイクスの手下から「タマなし野郎」と罵られた彼は、
その手下のタマを切り取って、レイクスに送りつけるんですからね。
敵であるレイクスのサイコっぷりもなかなかのもので、
ボンディランド兄弟の従兄に対する拷問とか、かなりイカれてますよね。
インパクトのあるキャラが多いし、時代背景も興味深いので、
ジャックに対してイライラするのを除けば、かなり面白い作品でした。

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