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嘆きのピエタ

韓国を訪れる日本人観光客が激減したそうな。
なんでも1月から現在までの日本人観光客数は前年より26%以上も減ったらしく、
韓国の観光業界は危機感を募らせているのだそうです。
嫌韓のボクとしては、韓国に関心をなくした日本人が増えたことは素直に嬉しいが、
こんなに日韓関係が悪化しているにも拘らず、たった1/4減った程度なのは不満。
日本人にもまだまだ売国奴が多いようです。
1/4程度の減少だと、単に円安の影響かもしれないので油断できませんが、
それによって韓国渡航者が減るのであれば、その原因は何でもいいです。
でも特ア以外へも日本人旅行者が減るのは、国際関係上あまりいいこととは思えないので、
円安よりもウォン高が進行してくれるのがいいかもしれません。
そうすれば、韓国人の海外進出も減り、世界は平和になるでしょう。

ということで、今日は世界に進出した韓国映画の感想です。
ボクも韓国製品に金を落とすようでは、売国奴と罵られても仕方がないです。

嘆きのピエタ
Pieta.jpg

2013年6月15日日本公開。
第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞に輝いたサスペンスドラマ。

身寄りもなく、ずっと一人で生きてきたイ・ガンド(イ・ジョンジン)は、極悪非道な借金取り立て屋として債務者たちから恐れられていた。そんな彼の前に母親だと名乗る女性(チョ・ミンス)が突如現われ、当初は疑念を抱くガンドだったが、女性から注がれる愛情に次第に心を開いていく。生まれて初めて母の愛を知った彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、女性の行方がわからなくなってしまい……。(シネマトゥデイより)



韓国嫌いのボクが、まさか年に二本も韓国映画を観ることになろうとは…。
今年観た一本目の『王になった男』は、気の迷いで観てしまったのですが、
本作は観たくないと思いながらも、どうしても避けることができませんでした。
それはもちろん本作がベネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞を受賞したためです。
映画ファンを自負するからには、どんなつまらなそうな作品であっても、
世界三大映画祭の最高賞作くらいは観ておかないと話になりません。
ボクも真っ当な映画ファンになるべく、最高賞作は見逃さないようにしています。
なので、世界三大映画祭のたびに面白そうな作品に最高賞受賞してほしいと願いますが、
特に大嫌いな韓国の映画だけは絶対に受賞させないでくれと祈っていました。
ところが、その祈りもむなしく本作が金獅子賞を受賞してしまいました。
韓国映画の最高賞受賞は史上初のことでしたが、ついに恐れていたことが起きたわけです。
「最高賞作は必ず観る」という信念を曲げてでも観に行かないでおこうとも思いましたが、
葛藤の末、嫌韓意識よりも映画ファンとしての信念が上回り、結局観に行くことに…。

梅田ガーデンシネマで観たのですが、100席程度のミニシアターだし、
関西ではその劇場以外では京都のミニシアターでのみの公開だったので、
関西中の韓流ババアが殺到するのではないかと懸念し、早めに行ったのですが、
それっぽい客はあまりいなくて、映画ファンっぽい客が多かったです。
ついに韓流ブームもここまで凋落したか、と喜んでしまいましたが、
本作のキム・ギドク監督は、韓国映画界でも異端視される人物だったようで、
韓流ババアの趣向とは違う韓国映画なだけみたいですね。
もっとも金獅子賞受賞した途端、韓国でも国民的監督扱いされるようになったとか…。

金獅子賞受賞作は前年の『ファウスト』、前々年の『SOMEWHERE』も退屈な作品なので、
本作が嫌いな韓国映画であることは別にしても、全く期待せずに観に行きました。
それが良かったのかもしれませんが、予想していたよりは楽しめたかも。
意外にも娯楽性が高く、少なくとも退屈させられるような作品ではなかったです。
ベネチアのコンペでは北野武監督の『アウトレイジ・ビヨンド』や、
『スプリング・ブレイカーズ』、『ザ・マスター』などと金獅子賞を競いましたが、
それらの作品と比較しても、頭ひとつ抜けいる印象を受けました。
なるほど、この程度のコンペであれば、本作が最高賞を受賞するのも納得です。

親の顔も知らずに30年間、天涯孤独に生きてきた冷酷非道な借金取りのガンド。
ある日、彼の前に自分を捨てた母だと名乗る謎の女が突然現れます。
当初は邪険に扱うガンドだが、無償の愛情を注ぐ彼女を次第に母親として受け入れ、
初めて母の愛を知った彼は、非道な借金取り家業から足を洗おうとしますが、
その矢先、彼女が姿を消してしまい、ガンドは自分を恨む債務者に誘拐されたと考え…。
はたして彼女は本当に母親なのか、なぜ今になって現れたのか、…という物語です。
屈折した母子愛を描いた作品で、正直早々にオチも読めたし、
間々ある復讐劇のスリラーなので、物語としてそれほど独創的な内容でもないです。
でもセックスとバイオレンスの描写が、過激というか背徳的というか、
とにかく物議を醸すような演出で、力技で金獅子賞を奪取した感じです。
バイオレンス映画の多いコンペではあったけど、他の作品とは土俵が違う印象です。

特に性的な表現が強烈です。
エロくて刺激的ということではなく背徳的な意味で強烈です。
本作の冒頭で主人公ガンドの手淫シーンがあり、
意表を突かれましたが、そんなものはジャブにもなりません。
ガンドは母親を名乗る女に対し、「母であることを証明しろ」と言い、
自分の肉片を切り取って食わすシーンがあり、どこの肉片かは明言されませんでしたが、
彼の足を滴る血を見る限り、生殖器の一部であろうことは想像に難くなく、
そんなものを母親かもしれない女性に喰わせるなんて…。
しかも彼はそれでは飽き足らず、その女を押し倒し、
「俺はここから出てきたのか、戻ってもいいか?」と彼女の膣に手を捻じ込みます。
もし本当に母親だったら近親相姦どころか、母親に対するレイプです。
タイトルのピエタとは聖母マリア像のことだけに、背徳感も増幅され衝撃的でした。
更には彼女が息子ガンドの手淫を手伝うというシーンまであります。

暴力表現の方は、直接的な表現はあまりありませんが、設定が過激です。
ガンドは借金取りですが、返済不能になった債務者に対して、
重傷を負わせ障害者に仕立て、その保険金で回収するという悪魔のような男です。
ぶん殴ったりして重傷を負わせても、保険金は下りないから事故に見せかけるのですが、
債務者は下町の零細町工場の事業主なので、労災に偽装するために、
その工場の機械に腕や足を巻き込ませてるのだけど、ゾッとする方法ですよね。
意図的に障害者にするなんて、ある意味殺すよりも残酷なことだと思いますが、
死なすと保険金の受け取りが面倒になるので、債務者を殺すことはありません。
債務者の中には障害者になったことを苦に、或いは障害者にされる前に自殺する者も…。

でも驚いたのは、保険金目当てで自ら障害者になることを望む債務者もいることです。
ある零細町工場の債務者は、来月生まれる子供のために金が必要で、
借金3000万ウォン返済の返済には片手を失った時の保険金だけで充分なのに、
もっと金が必要だから両手を切り落としてほしいとガンドに頼んだり…。
3000万ウォンなんて300万円にも満たないのに、その金欲しさに腕を捨てるなんて、
財閥のグループ企業が幅を利かせ、個人商店や中小零細企業を圧迫する、
韓国の格差経済の悲惨さを端的に表していると思います。
ソウルの清渓川周辺が舞台らしいのですが、本作から受ける街の印象はあまりよくなく、
観光を重視する韓国にとって、本作が国際的に評価されるのは痛し痒しかもね。
なんでももともと大阪を舞台にするつもりで、町工場の多い東大阪の話になったかも。
それが実現すれば日本の関連作ということで金獅子賞も素直に喜べたかも入れないけど、
こんな悪いイメージで描かれるなら、その企画が流れたことは幸いだったかもしれません。
コリアンタウン生野が舞台なら、どんなに酷く描かれても構わなかったけどね。

で、急にネタバレになりますが、母親を名乗る女は母親ではありませんでした。
ガンドに障害者にされ自殺した債務者の母親で、ガンドの母親に成り済まし、
信じさせたところで姿を消し、身内を失う悲しみをガンドにも味合わせようとしたのです。
「早々にオチが読める」と前述したのは、この部分のことで、予想通りの展開でした。
これでは読み易すぎるので、彼女が母親かもしれないと思わせる展開がもう少しあれば…。
というか、結局彼女が母親だという証拠は何ひとつ提示されてないんですよね。
むしろ息子の手淫の手伝いなんて、本当の母親がするはずがないです。
なのでガンドが彼女を信用した理由もいまいちわからず、
はじめはあんなに警戒心むき出しで拒否していたにも関わらず、
例のレイプを機に急に心を許した感じで、ちょっと違和感があります。
いや、逆に息子の仇の手淫を手伝う方が違和感があるのかな?

女はガンドの目の前で死んでみせ、計画通り彼に絶望を与えます。
生前の彼女から「私が死んだらこの場所に埋めてほしい」と言われていた場所に、
ガンドは彼女の遺体を埋めようとしますが、その場所を掘り返すと、
彼女の本当の息子が埋まっており、彼は彼女の正体に気付くのです。
でもこの展開って、下手するとガンドにせっかく与えた絶望感を救済しかねないかな?
母親だと信じていた人に騙されたというのもショックでしょうが、
本当の母親が死んだことの絶望感に比べたら軽い気がします。
まぁどう感じるかは人それぞれで、ガンドの場合は更に悲しみが深まったようで、
その後、とんでもない方法で自殺するのですが…。

大嫌いな韓国の映画であるということを除けば、悪い映画ではなかったです。
キム・ギドク監督は、過去にもベルリンの銀熊賞、ベネチアの銀熊賞、
カンヌの「ある視点」賞も受賞した、韓国で最も国際的な評価が高い監督なので、
外国映画のファンである以上は、今後も彼の作品に行き当たることもあるでしょう。
カンヌで審査員特別グランプリを受賞したパク・チャヌク監督のように、
活動拠点をハリウッドに移してくれたらいいのに。
そうすれば韓国映画ではなくハリウッド映画として彼の作品を楽しめるのに。

ベネチア映画祭コンペ部門のライバルの感想
アウトレイジ ビヨンド
ザ・マスター
スプリング・ブレイカーズ

過去の金獅子賞受賞作の感想
SOMEWHERE
ファウスト

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