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ウォッチメン

なんでも、『ファンタスティック・フォー』が早くもリメイクされるとのこと。
『ファンタスティック・フォー』は人気アメコミが原作のヒーロー映画で、
2005年に公開され、シリーズ続編が2007年に公開されたばかり。
それなのに続編ではなく、キャストもスタッフも一新してリメイクされるとのこと。
けっこう面白い映画だったのに、わざわざリメイクされる背景には
『ダークナイト』『ウォッチメン』などの大人向けのダーク路線のアメコミ映画が
成功したのに触発され、同作もダークな大人向けする商業的目論見があります。
きっとザ・シングの葛藤がメインの暗い映画になるんだろうなぁ…。

それにしても、二匹目のドジョウを狙いたくなる気持ちもわからないではないけど、
なんでもかんでもダークな大人向けにしちゃうのはどうかと思いますね。
『アイアンマン』だって、今まで通りのアメコミヒーロー路線だったけど、
ちゃんと大ヒットしたし、大人だって楽しめる内容でした。
ダーク路線からエンターティメント路線に変更した『インクレディブル・ハルク』
『ヘルボーイ』は(ヒットしたかは知らないけど)面白くなったのも事実。
所詮漫画は子供のもの、"大人も楽しめる"って要素はあるに越したことはないけど、
ことさら"大人向け"で作っちゃうのは感心できないと思うなぁ…。

今日は完全に子供無視(R-15指定)のアメコミ映画『ウォッチメン』の感想です。

ウォッチメン

2009年3月28日日本公開。
映像化不可能といわれていたグラフィック・ノベル(分厚いアメコミ)を映画化。

ジョン・F・ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機など、世界で起きた数々の事件を見守ってきたヒーローたち“ウォッチメン”。しかし、かつてウォッチメンだった男の一人が暗殺される事態が発生。殺害現場には、血のついたスマイル・バッジが残されていた。しかも、ウォッチメンたちの殺害はその後も続き…。(シネマトゥデイより)

60年代~70年代のアメリカ史に残る事件に深く介入していたとされる
架空の覆面ヒーロー集団が"ウォッチメン"です。
彼らはJFKを暗殺したり、ウォーターゲート事件をもみ消したり、
ベトナム戦争でアメリカに勝利をもたらしたりと
史実にあることないこと行い、ニクソン政権を支えました。
そして80年代、ヒーローたちはヒーロ禁止条例のもと解散させられましたが、
ウォーターゲート事件で失脚しなかったニクソン大統領は4期目に入り、
冷戦下でソ連がアフガン進攻し、あわや核戦争かという時代が舞台です。
1985年、元ウォッチメンのひとり"コメディアン"が何者かに殺され、
元同僚の"ロールシャッハ"が事件の真相を探るべく、単身捜査を始める、
といった犯人探しのミステリーサスペンスが物語の軸。

"アメリカの歴史的事件を絡めてあるので、ある程度アメリカ史を知らないと
話についていけない虞がある。"…みたいな評論をどこかで読みましたが、
アホな映画評論家に限って(自分が賢いといわんばかりに)そうゆうことを言います。
ボクはずっと日本史を専攻してたので、中学から世界史なんて勉強したことないけど、
全く問題なく理解できました。
中学レベルの世界史知識があれば充分、R-15指定だからその知識もない人は観ません。
そもそもこの作品内の歴史自体、ウォッチメンの作り上げた歴史なので、
ベトナム戦争の本当の結末とか、そんな史実は意味のないものでしょ。
小難しそうだと二の足を踏みそうですが、誰でも気軽に楽しめる映画です。
あ、でも予告編を含めると概ね3時間近い上映時間なので、気軽にとはいきませんね。

歴史的事実に関してはやさしく説明してくれるので大丈夫なのですが、
逆にフィクション部分がややこしく、世界観をある程度理解するまでの間は
話についていくのがやっとでした。…いや、何度か振り落とされました。
なので実は細かいディテールまではあまり理解できていません。
ヒーローに支えられてきたニクソン政権が、なぜヒーローを禁止する条例を作るのか、
市民たちがなぜヒーローを嫌うのか、Dr.マンハッタン以外のヒーローたちは
ただの人間のクセに、なぜあんなに強いのか…など、少し難解なところも…。
もしかしたら、作中では語られてなかったのかも?
でもまぁ、自分で補完できる程度の些細な疑問ですけど。

本作は80年代のアメコミを映画化した作品ですが、よくあるアメコミ映画のように、
そのキャラクターと設定を使って映画用にストーリーを構成しているのではなくて、
ストーリーはもちろん、キャラの見た目、カット割まで原作に忠実に再現した意欲作。
ボクは原作を読んだことがないので、どこまで忠実なのかはわかりませんが、
ヒーローの格好のレトロさや、ストーリーの古臭さから、それは感じ取れます。

ヒーロー活動を禁止され、引退を余儀なくされたヒーローたちが次々に襲われる…。
当時としては斬新なアイディアだったのかもしれませんが、
これってCGアニメ映画『Mr.インクレディブル』と同じですよね。
たぶん『Mr.インクレディブル』が『ウォッチメン』を下敷きにしてるんでしょうが、
"映像化不可能"とかいって足踏みしているうちに、先にやられてしまった感じです。

歴史的事実についても、当時は時事ネタとして斬新だったかもしれないが、
冷戦とか核の脅威とか、今更感が拭えません。
日本が持ってないのが不思議なくらい核兵器が一般化した昨今、
当時は現実的な不安だっただろうし、魅力的な設定だっただろうけど、
もはや核兵器による終末みたいな映画は腐るほどあったし、新鮮味がないです。
どうせ今映画化するなら、イラク戦争とか、北朝鮮問題とか、同時多発テロとか、
もっと今の観客に合わせた設定にしてこそ、当時の『ウォッチメン』の衝撃を
忠実に再現することになったなったんじゃないかな?
まぁそんな事件ももはや古臭く感じるほど、金融不安で世界は激動してますが…。

でも元ウォッチメンのひとり"ロールシャッハ"だけは気に入りました。
その顔の奇抜さもいいけど、ニヒルでダンディなアンチ・ヒーロー。
でも実は一番アメコミヒーローらしい正義感を持った男で、
なんとなく『ダークナイト』のバットマンと重なる魅力があります。
彼だけスピン・オフしないかなぁ…。

はじめの話に戻りますが、こうゆうダーク路線のヒーローものが面白がられるのは
ちゃんと単純明快で勧善懲悪な正統なアメコミヒーロー作品があるからです。
それのパロディでありアンチテーゼとして面白がられているわけで、
そればっかりになっちゃったら、ただの暗いクライム・アクション映画ですよ。

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