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ローマでアモーレ

いつの間にか、総アクセス数が1000を越えてました。
先月余所から引っ越してきて開設したブログですが、
総アクセス数4桁に到達するには2ヶ月以上はかかると予想していたので、
40日ほどでの達成できたことは、本当にありがたく思います。
旧ブログ時代から比べると、1日のアクセス数は何十分の一ですが、
若干でも右肩上がりに推移していることは、とても希望が持てます。
6年以上続けた旧ブログと、まだ2ヶ月未満の現ブログを比較しても仕方ないし、
とりあえず今は地道に更新を続けるしかないです。
千里の道も一歩から、ローマは一日にして成らずってね。

ということで、今日はローマを舞台にした映画の感想です。

ローマでアモーレ
To Rome with Love

2013年6月8日日本公開。
ウディ・アレンがローマを舞台に描いた群像ロマンティック・コメディ。

娘がイタリア人と婚約した音楽プロデューサーのジェリー(ウディ・アレン)は、ローマを訪れる。婚約者の家に招待されたジェリーは、浴室で歌う婚約者の父がオペラ歌手のような美声であることに驚く。一方、恋人と同居中の建築学生ジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)の家に、恋人の親友モニカ(エレン・ペイジ)が身を寄せてくる。かわいらしい外見とは裏腹に恋愛に対しては積極的な彼女を、ジャックは少しずつ気になり始めていて……。(シネマトゥデイより)



昨年は『ミッドナイト・イン・パリ』と『恋のロンドン狂騒曲』と、
ウディ・アレン監督のロマコメが2本も公開になりましたが、どちらも面白く、
特にオスカー候補にもなった『ミッドナイト・イン・パリ』は名作喜劇でした。
なので新作に対してもかなり期待はしていたのですが、
本作は面白さだけなら『ミッドナイト・イン・パリ』も凌ぐ快作で、
めちゃめちゃ笑えるコメディ映画でした。
ウディ・アレン監督作の中では、最も大ヒットした作品だそうですがそれも納得です。
キャストもジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジ、ペネロペ・クルスなど、
いつにも増して豪華な顔ぶれでしたが、ウディ・アレンも自ら出演していることが、
彼の本作に対する自身の顕われではないかと思います。
(『タロットカード殺人事件』以来、6年ぶりの出演だそうです。)

本作は4つの物語からなる群像劇ですが、群像劇は玉石混交になるものなのに、
4つの物語すべてが面白いという奇跡的な群像コメディです。
そんな面白い4つのコメディが、ザッピングしながら進行するので、
どこを切っても面白い展開ばかりで、ホントにずっと笑ってられます。
4つの物語は舞台がローマというだけで、時間軸も全く違うし、
各物語に何の接点もないことは、群像劇としての面白さを欠いているとも思いましたが、
同じく4つの物語からなるが、各物語に接点があった『恋のロンドン狂騒曲』よりも
本作の方が明らかに面白いんだから不思議です。
あえて接点を作ると時系列など制約が出てくるから、あえてそれを無視して、
ただ単純に面白い話を4つ、並列に描くことにしたのかもしれません。
群像劇としては禁じ手だと思うし、もしそれで面白くなければボロクソに貶すけど、
本作はちゃんと面白いんだから許すしかないです。

4組のカップルについて描いた群像ロマコメのような感じで始まりますが、
4つの物語の中で、実質ロマコメといえるのは多く見積もっても2つです。
ちょっとファンタジーぽい物語から、シュールなコメディ、風刺ネタまで、
いろんなタイプのコメディで綴られていますが、
どれもウディ・アレンらしいお洒落でコミカルな雰囲気があります。
ローマが舞台である以外に特に共通点はないと思いましたが、
一説によれば、どれも「名声」がテーマらしいです。
言われてみれば、たしかにそうかもしれません。
以下、4つの物語それぞれの感想です。

「ヘイリーの物語」
アメリカ人観光客のヘイリーが現地の青年ミケランジェロと出会うところから
物語がはじまるために、便宜上「ヘイリーの物語」としましたが、
本エピソードの実際の主人公は、ウディ・アレン演じる彼女の父ジェリーです。
娘がミケランジェロと婚約したので、彼の両親に挨拶するためローマを訪れたジェリー。
彼は内心は婚約を歓迎していませんが、婚約者の父ジャンカルロが浴室で
カンツォーネを歌っているのを聴いて、その美声に衝撃を受けます。
元オペラ演出家のジェリーは、ジャンカルロをデビューさせることで再起を図るが、
なんとか彼にオペラのオーディションを受けさせるも、真の実力が出せず不合格…。
どうやら彼はシャワー中しか実力が発揮できないとわかり、
ジェリーは劇場のステージ上にシャワーを設置することを思いつきます。
それが大絶賛され、次はその手法でオペラ『道化師』を上演することに…、という物語。
格式あるローマ歌劇場のステージで、全裸でシャワーを浴びながら歌ったり、
演技までしちゃうジャンカルロの滑稽な状況が笑いを誘いますが、
本当に滑稽なのは、そんな無茶苦茶な演出を大真面目に実行するジェリーです。
観客はコンサートもオペラもジャンカルロの歌に対して絶賛しますが、
彼がシャワーを浴びないと実力が出せないなんて知らないので、
ふざけた演出だと思ってるし、演出家であるジェリーのことは酷評しています。
でもジェリーは自分の前衛的な演出がウケていると勘違いしてるんですよね。
前衛的なアート系映画に対するウディ・アレンなりの皮肉を感じます。
自己満足で悦に入る映画監督や、監督の意図も理解できないのに絶賛する映画評論家を
揶揄してるのかもしれません。(…いや、考えすぎかな?)
ボクはずっとシャワーの水音が聴こえてたら、どんな上手い歌でも興醒めしそうです。
それに比べれば、オーディションでのジャンカルロの歌も十分上手いと思ったけど…。

「アントニオとミリーの物語」
上流階級の叔父の仕事を手伝うため、田舎町からローマにやってきたアントニオ。
彼は新婚で、新妻ミリーを叔父に紹介するつもりでしたが、
ホテルにチェックイン後、ミリーがローマの町で迷子になってしまい…。
アントニオがホテルで妻を帰りを待っていると、
なにかの手違いでコールガールが部屋を訪れ、運悪くそこに叔父もやって来たため、
叔父にそのコールガールをミリーとして紹介してしまい、
その日一日、コールガールに妻のフリをしてもらうことに…。
純真無垢な田舎娘が妻だったはずが、真逆の派手なコールガールが妻役になり、
勘違いコント的な面白い展開に転がります。
一方、迷子になった妻は、街中で映画のロケ現場に遭遇し、
憧れの俳優ルーカ・サルタと出会い、ホテルに誘われます。
ミーハーな彼女は嬉しくて誘いに乗りますが、愛する旦那を裏切りたくない気持ちも…。
結局、俳優とセックスしてみたいという好奇心が勝ち…、という話。
俳優ルーカ・サルタはハゲたメタボなオッサンだし、どこがいいのか疑問ですが、
有名人とセックスしてみたいという田舎者のミーハー心は何となく理解できます。
彼女は「孫に自慢できる」と言いますが、まさにその感覚ですね。
ただ、あるアクシデントが起きてサルタとのセックスはお預けになりますが、
その後、彼女は違う男とセックスしてしまうのです。
結局誰でもよかったのかって話ですが、旦那アントニオもコールガールとやっちゃうし、
なんだかんだで似た者夫婦ですね。
ちなみにコールガール役はペネロペ・クルスですが、ハマリ役すぎます。

「レオポルドの物語」
妻と2人の子がいるレオポルドは実直なサラリーマン。
しかしある朝、出勤のため家を出ると、家の前に取材陣が殺到しており、
あれよあれよと車に乗せられて、インタビュー番組に出演させられます。
なぜか急に人気者になってしまい、戸惑うレオポルドですが、
会社で出世したり、人気店も顔パスで入れたり、美人モデルに言い寄られたりと、
セレブとしての生活を満喫するようになります。
一般人が身に覚えがないのに、何故か急にローマ一の人気者になってしまう物語で、
なぜそうなったのか気になりますよね。
人気絶頂のレオポルドでしたが、ある朝いつものように取材を受けていると、
レポーターが「あっちの人の方が面白そう」と言い出し、世間の注目が別の人に移ります。
その瞬間から彼はすっかり過去の人になるのです。
彼のお抱え運転手曰く「あなたは有名なことで有名」とのことでしたが、まさにそうで、
つまり有名人が有名たる所以は「マスコミが注目したから」というだけのことで、
マスコミによって作られた有名人の在り方を風刺しているのでしょう。
今の日本で言えば、東進予備校講師の林先生みたいなものですね。

「ジョンの物語」
有名な建築家のジョンは、昔住んでいたローマのアパートを訪れます。
そこには建築家の卵ジャックが、恋人サリーと同棲していました。
サリーの友達の売れない女優モニカが、ローマに遊びに来るというので、
暫らく彼らの部屋に泊めてあげることになりますが、モニカは小悪魔なので、
彼らが三角関係になることを懸念し、ジョンはジャックに何かと助言するのです。
恋人がいながらも小悪魔モニカの魅力に惑わされるジャックに対し、
ジョンは「彼女に騙されるな」にツッコミを入れるのです。
ジョンは背後霊のようにいつもジャックのそばで成り行きを見守っていますが、
神出鬼没で彼が本当に存在しているのかわからなくなります。
どうやらジャックは若かりし頃のジョンなのでしょう。或いはそれに類する関係です。
つまり年老いて冷静なった自分が、恋に盲目だった若い頃の自分を見直す話です。
タイムトラベル的なファンタジーな設定ですが、劇中で言及されていないので、
その設定はちょっと考えすぎかもしれませんが、そうとしか考えられません。
ジョンの助言も聴こえているはずなのに、恋に猛進するジャックですが、
それも過去は変えられないということなのだと思います。
ジャックがモニカと付き合うため、サリーに別れを切りだそうとした矢先、
モニカはハリウッド映画で大きな役を得て、東京で撮影があるため、帰国してしまいます。
この結末がわかっていたから、ジョンも助言しながらも面白がっていたんでしょうね。
ボクは4つの物語の中では、特にこの物語が好きかな。
最もロマコメらしいし、ちょっと不思議な演出で興味深かったですが、
キャストもモニカ役がエレン・ペイジ、ジャック役がジェシー・アイゼンバーグと、
実力派人気若手の共演で、とてもよかったです。
2人ともアメリカ色が強いので、ローマが舞台だと少し浮いてましたが…。

どれもコント的だけど、珠玉の面白い物語で、こんなに笑えたコメディは久しぶりです。
劇場は年配のお客さんが多かったけど、かなり大盛況で笑い声が絶えませんでした。
ボクはアラサーだけど本当に面白かったし、もっと若い人でもたぶん楽しめる作品。
ウディ・アレン監督はもう80歳近いお爺ちゃん監督なので、
なかなか若い人は観ようと思わないかもしれませんが、是非観てほしいです。
きっと若者に大ウケの『テッド』なんかよりも楽しめるはずです。

関連作の感想
それでも恋するバルセロナ
ミッドナイト・イン・パリ
恋のロンドン狂騒曲

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