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ドロップ

先日、第一回沖縄国際映画祭が行われましたね。
ワイドショーでその様子を放送していましたが、芸人がやたら参加してると思ったら、
吉本興業主催の国際映画祭なんですね。
なんかそれだけですごく権威がなさそうな印象がありますね…。
YOSHIMOTO DIRECTOR'S 100のこともあるし、
吉本は映画から金の匂いを感じ取ったみたいですね。

一昔前は芸人が本を書くのが流行っていましたが、
そのブームも少し落ち着いてきたと思ったら、
今度は芸人が映画を撮るのがブームになりそうな予感です。
ビートたけしや松本人志くらいのお笑いの頂点を極めた人が、
違う分野に手を出すのはある意味必然かとも思いますが、
最近の芸人監督はお笑い芸人としても中途半端な人たち。
近々公開になる映画の芸人監督だけでも板尾創路、木村祐一、ゴリ、島田洋七など…。
ボクは芸人がお笑い以外のことをするのは気に入らないんですが、
所詮、芸人なんて職業は名前を売るための踏み台でしかないんでしょうね。
今日はその先駆けとなる、中途半端芸人監督の映画の感想です。

ドロップ

2009年3月20日公開。
お笑い芸人・品川祐 原作・監督・脚本・出演の青春ムービー。

不良にあこがれる中学生・ヒロシ(成宮寛貴)は、退屈な日常に飽き足らず、不良のいる公立狛江北中学校に転校。口だけは達者なヒロシは、アイドルみたいな顔をしているのに極悪非道なカリスマ不良・達也(水嶋ヒロ)と早速タイマンを張ることに。結果、達也に気に入られ、彼が率いる不良グループとつるむことになる。(シネマトゥデイより)

"芸人が映画監督するなんて、映画なめんなよ"って思いながらも、
ダメならダメで"やっぱり芸人監督はダメだな"てな感じで、話のタネになると思って、
ダメ映画を期待して観に行ったのですが、残念ながらなかなか面白かったです…。

品川の自伝的小説の映画化ですが、ボクは芸人が本を書くのも反対なので原作は未読。でも、その小説を漫画化した月間少年誌で連載中の漫画は少し読みました。
『クローズ』『ビーバップ』『湘爆』『ろくブル』など正統不良漫画の
影響を受けたて不良に憧れ、実際に不良デビューした中学生が主人公ですが、
本作はむしろ、『今日から俺は』とか『カメレオン』ぽい、不良ギャグ漫画です。
"自伝的"といえ、全てフィクションとしか思えない滅茶苦茶な内容だったという印象。
少年時代に不良漫画読みすぎて、現実と憧れがゴッチャになったんでしょうね。
作中のストーリーもどこかの漫画で見たようなものばっかりでした。

そんな不良漫画のパロディみたいなものを映画化したところで
新鮮味もないし、面白いわけないと思っていたのですが、
少なくとも本家ともいえる映画『クローズZERO』よりも面白かったです。
それはやっぱり、芸人が監督したことに所以しているんだと思います。
アクションシーンとかは『クローズZERO』の方が迫力あったけど、
コメディシーンは圧倒的に本作の方が面白いです。
『クローズZERO』はとにかくスベリ倒していたのであまり比較にはなりませんが、
芸人監督は普通の映画監督とは違い、笑いの間であったり、お笑い手法であったり、
お客の擽り方を心得ていると感じました。
それは所謂コント的なノリなので、映画ぽくはないんですが、まぁ笑えます。

でも反面、泣かせどころなんかはあまり上手くない気がします。
これはもう脚本が悪いのかもしれませんが、一番盛り上がるの暴走族との
ケンカシーンに、なんであんな湿っぽい話を挟んでくるのか疑問です。
そもそも友情を軸にコメディチックに展開していたストーリーが、
いきなり知人の死別みたいなシリアスな話にすり替えられちゃうと、
どちらも中途半端な居心地の悪い感じになります。
長い小説ならメリハリもつけれたでしょうが、映画としては欲張りすぎたかも。
今回は友情だけを軸にしとけばよかったのになぁ…。

芸人監督で、吉本興業製作ということもあって、キャストも芸人が多いです。
もちろんボクは芸人が俳優やることも反対なんですが、芸人を重用するシーンは
ほぼコントみたいなノリなので、そんなに嫌な感じはしなかったですね。
そんなシーンはその出演芸人の個性をよく活かされていたので、
フジモンとか次課長河本とか、いつも通りのいい味出せてたし面白かったです。
逆にメインキャストの芸人たちにはイマイチ知名度のない人たちを起用していて、
変に先入観なく観れてよかったです。
なにより褒めるべきは、芸人監督映画にありがちな、
監督自ら主演するという暴挙に出なかったのが素晴らしい。
ちゃんと分をわきまえていて好印象です。

その品川自身をモチーフにした主人公・信濃川ヒロシ役には成宮寛貴を抜擢してますが
美化しすぎというか、それはそれで分をわきまえろって感じですが、
成宮くんの演技が上手いのか、台詞回しや所作が時折、品川っぽく見えることも…。
でも、もうひとりのメインキャストである達也役真島ヒロはちょっとイマイチ…。
これも脚本のせいだろうけど、全然カリスマ不良っぽくないんですよね。
ケンカもけっこう負けるし、彼女(本仮屋ユイカ)の扱い方が酷すぎるし、
なんか頭のおかしい危ない人みたいな…。
あれじゃ、ヒロシがなぜ達也に憧れるのか説得力がないです。
最後は姉貴の彼氏ヒデ君役の上地雄輔に全部持ってかれる感じだし…。

最後に一番気になったところというか、ツッコミどころをひとつ。
「人はそんなに簡単には死なねぇ」は達也の口癖ですが、
車で轢いたり、頭を金属バットや角材で殴ったらさすがに死にますよ。
みんなやたら回復早いし、みんな頑丈という世界観ならそれでもいいけど、
それなら3階から落ちたくらいでアッサリ死ぬな、と。

芸人が監督した作品とバカにしていましたが、残念ながら悪くなかったです。
客足も好調のようで、今後の芸人の監督デビューの波も勢いづくかもしれません。
品川は雑誌のインタビューで(映画関係者向けのリップサービスかもしれないけど)
"北野武に憧れて監督になるために芸人やってる"みたいな発言までしてます。
それって結果的に自分の本職である芸人を貶めてることになると思うんだけど、
お笑いファンとしてはまことに遺憾なことです。
まぁ彼は別にネタが面白いわけでもなし、今度のことで味を占めただろうし、
今後はチャンスがあれば監督業にシフトする気満々みたいですけどね…。

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