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言の葉の庭

あー、明日からTOHOシネマズは高校生1000円に値下げかぁ。
いいなぁ、羨ましいなぁ、高校生に戻りたいなぁ…。
アラサー男のボクなんて、シニア料金もレディースデーも適用されないから、
少しでも映画料金を安く上げるために、レイトショー利用したり、
月に2回の誰でも1000円均一の日を利用したりと、いろいろ頑張ってます。
明日も毎月1日は1000円均一のファーストデーなので、映画をハシゴするつもりだけど、
今週末は観たい映画が多くって、2~3本ハシゴしても観切れません。
(土曜日だけど仕事があるからせいぜい2本しか観れないし…。)
ちょっと悔しいけど、せっかくなんだから高校生は映画を観に行くべきです。
大学生になったら1500円も取られちゃうんだから今のうちですよ。

ということで、今日は誰がいつ観ても1000円な映画の感想です。
上映時間も54分しかないので、コストパフォーマンスがいいかは微妙ですが…。

言の葉の庭
言の葉の庭

2013年5月31日公開。
新海誠が原作と監督と脚本を手掛けた恋の物語。

靴職人を志す15歳の高校生タカオは、雨が降るといつも学校をさぼって公園で靴のスケッチに熱中していた。そんなある日、彼は27歳のユキノと出会い、雨の日だけの再会を繰り返しながらお互いに少しずつ打ち解けていく。タカオは心のよりどころを失ってしまったユキノのために、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと決心する。(シネマトゥデイより)



上映時間は54分ですが、本編は46分しかない中編アニメの本作ですが、
劇場公開と同時に既にDVD/BDリリースもしてしまっています。
たぶんまだ公開劇場の売店でしか販売していないでしょうが、
6月21日には一般発売、7月12日にはレンタルも開始するみたいですね。
つまり1カ月半もすれば、レンタルでワンコイン以下で鑑賞できます。
なので今、劇場で野口英世を使ってまで観る必要もない気がしますが、
ボクとしては劇場で本作を観れたのはよかったと感じました。
…ただし、ネガティブな意味でね。
家でDVD鑑賞なんかしてたら、たぶん退屈で飽きて途中で投げてたと思います。
劇場だったから、他にやれることもないので、とりあえず最後まで観れたし、
内容は退屈だったものの映像は綺麗なので、自宅のショボいテレビじゃそこも味わえないし、
設備の整った劇場の大スクリーンで観れたので、最後まで目を開けていられたと思います。
まぁそんな作品だから「観に行かないしレンタルもしない」というのが、
ベストな選択だったでしょうけども…。

ただ本作は、駄作かと問われれば、そんなことはないと思います。
ボクとしては肌に合わず、退屈に感じられただけで、新海誠監督作品のファン、
特に代表作である『秒速5センチメートル』が好きな人にはマストな作品だと思われます。
前作『星を追う子ども』で「あれ?」と思ったファンも、
本作を観れば「あの新海誠が帰って来た!」と思う人も多いかと思います。
でもボクは新海誠監督のファンというわけでもない単なるアニメ映画好きです。
『秒速5センチメートル』よりも(問題もあるが)『星を追う子ども』の方が楽しめたので、
そんなボクからすると本作は「ちょっと後退したかもしれない」と思えたんですよね…。

確かに新海誠監督作品はアニメーションの作画力、彩色力は日本トップクラス…、
いや、日本一かもしれないと思うほど、繊細で緻密で優美です。
特に光の表現力が凄まじく、作中の空気感まで体感できそうなほどです。
しかしそれは『秒速5センチメートル』の頃からすでにそうで、
当時は日本アニメ界で本当に飛び抜けた存在だったと思いますが、
今やアニメ界全体の映像レベルが上がり、特にアニメ映画は(一部を除き)どれも綺麗。
それでも新海誠監督作品も技術が向上しているし、依然として日本一だと思うけど、
相対的にそれほど飛び抜けた存在でもなくなってきたように思います。

映像が高次元でドングリの背比べ状態になると、物語の内容での勝負になります。
しかし本作はそれがあまりにも弱く、映像の洗練されたセンスだけで勝負しているような、
なんというか渋谷系アニメ映画(?)になっちゃってるんですよね。
たしかにお洒落感は半端なく、それを観ている自分に陶酔しちゃいそうにもなります。
でも、もちろんお洒落に越したことはないけど、物語としてそれだけではね…。
アニメはなんとなく映像で内容の出来が誤魔化されちゃうことがあるけど、
そこに騙されない手段として、「もしこれが実写だったら」と考えてみる方法があります。
もし本作が実写だったらどうでしょうか?
たぶんクソ退屈な恋愛映画になっていたと思いませんか?

ボクが『秒速5センチメートル』よりも『星を追う子ども』派なのは、
前者が現実的で写実的な内容だったのに対し、後者がファンタジーだったからです。
やっぱり映画には非日常を求めてしまいますが、特にアニメともなれば尚更で、
せっかくアニメという手法を使うのなら、実写では描けない(描きにくい)物語がいい。
本作は前者のパターンですが、現実的で写実的な内容にするならば、
実写にしちゃえばいいと思ってしまうんですよね。
なのに実写にしないのは、アニメにすることで評価のハードルを下げているようなもの。
新海誠はアニメ監督なので、アニメが彼の表現方法だから、逃げとまでは言わないけど、
どうせなら自分の表現方法をもっと活かせるジャンルの作品を作ったらいいです。
とはいえこれもボク個人の単なる趣向でしかなく、
世の中には日常系アニメが大好きな人も沢山いますからね。

でも、現実的な物語だからというだけで、退屈だったわけではありません。
序盤なんかはそこそこ楽しんで観ることができていましたが、
中盤以降、どうにも納得がいかない展開が連発し、違和感を覚えたのです。
以下、ネタバレを含む本作の物語の感想です。

梅雨入り間近、高校1年生の少年タカオが、雨の日に学校をさぼって新宿御苑に行くと、
自然の中の休憩所で、仕事をさぼって缶ビールを飲んでいる女性がいました。
そんな女性を「世界の秘密そのもの彼女は見える」と感じ、惹かれるタカオ。
2人は雨の日のたびにその場所で再会するようになり、ちょっと親しくなります。
その女性のことは仕事も歳も名前すらもわからないけど、
年上の女性に惹かれるお年頃のタカオの気持ちはわからないでもなく、
そんな一方通行の淡い気持ちが切ないです。
…と、一方通行だと思っていたうちはよかったけど、
実は女性の方も満更でもないとわかると急に覚めてしまいました。
タカオの気持ちは理解できるけど、女性の気持ちが全くわからないからなのかも。
社会人の女性が15歳のガキンチョなんかに、あれほど好意を抱くものなのかが疑問で、
特に彼女の場合は、社会的な立場上そんなことあり得ない、
…いや、あってはならないことだと思うんですよね。

その女性の正体がミステリアスなままの時は、それなりに楽しめた気がします。
しかし彼女の仕事が教師だとわかり、しかもタカオの高校の教師だとわかって愕然です。
こうなるともう、淡い恋の甘酸っぱさよりも、倫理観との葛藤が起きてしまって、
男子高校生の恋を描いた青春映画としてまともに楽しめなくなってきます。
しかし倫理観と葛藤しているのはボクだけで、当の2人はそれほどでもなく、
女教師ユキノは一応線引きはしているものの、最終的には意外とあっさりと、
自分でその一線を越えてしまうんですよね…。
まぁ作中では2人が恋愛関係になる前に、お別れすることになるけど、
たぶんいずれ再会するので、後日そんな関係になるであろうことは想像に難くないです。
その時はタカオも高校卒業しているだろうから、道義的には問題ないかもしれないが、
元教え子と恋愛するなんてのは、やっぱり倫理的に如何なものかと…。

特にユキノの場合は、展開的にタカオに恋愛感情を持ってはいけないと思います。
ユキノが職場放棄して朝から新宿御苑でビールを飲んでいたのは、
3年の女生徒との間で揉め事が起きてしまい、心が病んで不登校になったから。
一時は味覚を失うほど憔悴し、結局退職するはめになったのです。
その女生徒との揉め事の原因は、女生徒の彼氏がユキノのことを好きになったため。
女生徒の不満がユキノに向けられ、理不尽な嫌がらせを受けるようになりますが、
ユキノが実際に生徒に恋をしてしまうような女であれば、
その女生徒からの批判はあながち理不尽でもないと思うんですよね。
そうなるとタカオの女生徒への怒りの方が理不尽な感じになっちゃうし、
2人に感情移入できなくなって、全く感動もできません。
クライマックスの27歳女性と15歳の少年の抱擁なんて、アニメだからまだ絵になるけど、
たぶん実写だったらかなり違和感ある状況だと思いますよ。

というわけで、ボクには合わない作品でした。
新海誠監督の次回作に期待したい、…と言いたいところですが、
前作から2年もかけて中編しか製作できないようでは、次回作なんて待ってられません。
ワンマン体制で製作しているのでしょうが、もっと分業して効率を上げた方がいいです。

あ、同時上映の作品のことを忘れていました。
同時上映の短編アニメ『だれかのまなざし』は、父と娘の関係を描いた内容で、
本編よりも感情移入出来て、感動的な物語でしたが、
最後に「PROUD 世界一の時間へ」と、どこかで聞いたことのあるテロップが…。
なんと新海誠監督による「野村不動産」のイメージ広告だったんですよね。
広告だったら「同時上映」なんて銘打っちゃダメですよ。
お客さんが鑑賞料の一部を広告に払っちゃってることになりますからね。
そんなものはシネアド(予告編の前)で垂れ流しておけばいいです。

関連リンク
星を追う子ども

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