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きっと、うまくいく

今日の投稿で、映画の感想記事1000本目になります。
旧ブログからの通算で、ここに引っ越してきてからはまだ13本目ですが、
ほぼ6年半かかりましたが、飽きっぽい正確なのによく続いたものだと思います。
というか、1000本観ても飽きない映画ってスゴイです。
たぶん映画鑑賞はボクの一生の趣味になるんだろうと思います。

ただ、ブログはいつまで続けられるかはわかりません。
引っ越し後、アクセス数が十分の一以下に落ち込んでしまい、
「まだ始めたばかりだから意識しないように…」とは思えども、
更新するモチベーションの低下は著しく、最近ちょっと筆が重いです。
ただその反面、「どうせ誰も読まない」と諦めてしまうと、
気負いもなくなり、いざ書き始めるとスラスラ書けるようにも。
検索エンジン対策でわざといろんなワードを盛り込むようなこともしなくなり、
ずっと課題だった執筆時間の短縮が出来つつあるように思います。
更新の負担が軽くなれば、多少モチベーションが下がろうが続けられるので、
より早く、短く、楽に、でも濃い感想が書けるように心掛け、
少しでも長く続けられるようにしたいです。

ということで、今日は1000本目の感想です。
この感想記事はまだ長めですが、映画が長かったから仕方ないです。

きっと、うまくいく
3 Idiots

2013年5月18日日本公開。
インドで興行収入歴代ナンバーワンを記録する大ヒットとなったコメディドラマ。

行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。10年前、三人は名門大学の学生だった。真っすぐなランチョーは異議があれば学長にすら物申し、好きなことに打ち込んでいた。しかし、ランチョーと学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)が接近したことから、3人は卒業目前で退学を言い渡されてしまう。(シネマトゥデイより)



昨年、ラジニカーントの『ロボット』を観て以来、ボリウッド映画に魅了されてしまい、
「ボリウッド映画も年に数本は観ておこう」と思いました。
でも『ロボット』以後観たのはシャー・ルク・カーン主演の『ラ・ワン』のみで…。
そちらもかなり面白かったのですが、やはりボリウッド映画は上映時間が長すぎで、
いざ観に行こうと思っても、体調との折り合いが難しく、断念してしまいます。
日本上映時でもちゃんとインターミッションを設けてくれたらその懸念も和らぐのに、
劇場側にも都合があるでしょうが、3時間ちかくも椅子に座りっぱなしは苦しいです。
世間でもボリウッド映画が流行ってるみたいで、上映されやすい状況になっており、
関西でもシネマート心斎橋を中心に、シネ・リーブルやガーデンシネマが連携して、
「ボリウッド4 ザッツエンターテインドメント」なる特集上映が企画され、
今月はボリウッド映画が立て続けに、『タイガー 伝説のスパイ』、
『命ある限り』、『闇の帝王DON』、そして『きっと、うまくいく』の4本が公開に。
(実際は「ボリウッド4+1」で『恋する輪廻』を含め連続5本ですが。)
どれも面白そうな作品だったものの、前述の理由からなかなか手が出せず、
結局最後に公開された本作『きっと、うまくいく』だけ滑り込みで観に行きました。

本作もやはり170分もある長尺作品だったので、前日はたっぷり睡眠を取り、
当日は仕事も手を抜いて体力を温存、トイレ対策で水分も控えて、
コンディション抜群で挑んだものの、やっぱり長くてかなり疲れました。
本来ならインターミッションが入るところで「まだ折り返し地点か」とゲンナリ…。
しかし本作は、唯一の欠点が上映時間の長さだけなほど、とても素晴らしい作品です。
そのゲンナリ感も、前半ですでに充足感を覚えてしまったためです。
また、後半の序盤は多少停滞感があるものの、終盤に掛けてまた大きく盛り上がり、
あれだけ充足感のあった前半を更に超える面白さがあります。
『ロボット』のように、日本上映用に短く編集してくれてもいい気もしますが、
切れる無駄なシーンは皆無で、脇道だと思えたシーンも緻密に伏線が張られており、
クライマックスでそれがガンガン回収されるのが何とも痛快です。
まさにこれぞウェルメイドな、最高のコメディ映画でした。

それもそのはず、本作は本国インドで歴代最高の興収を樹立した作品だそうです。
インドは興収の集計は取っていないと聞いたので、どんぶり勘定な気もしますが、
海外でも2500万ドルという歴代最高の興収を叩き出しました。
(その成績は後に『ロボット』に抜かれるわけですが…。)
世界中で称賛を受け、ハリウッドや中国でリメイクされる計画もあるみたいです。
でもリメイクなんかでは魅力も半減しちゃうかもね。
ボリウッド映画の特徴である歌やダンスは再現されないし、
時間も大幅短縮されて、内容が薄くなることは間違いないしね。
まぁそれらは考えようによってはメリットでもあるかも知れないけど、
本作は学歴競争が過熱するインドの教育問題を題材にしたもので、
そこも興味深いところだけど、他の国では事情がかなり異なってしまいます。

本作はインドの名門工科大学に入学してルームメイトになった3人の青年の物語です。
インド中からエリート学生が集まる大学で、みんなエンジニアになって成功するため、
もっといい成績を取ろうと必死に勉強しています。
それはいいことだと思うけど、インドの競争社会はかなり異常で、
そこから脱落した生徒の末路はあまりに悲惨。
機械オタクの学生ジョイ・ロボは、学長から落第を言い渡され首吊り自殺しますが、
本作によるとインドでは学業を苦に90分に1人の学生が自殺するそうです。
いくら人口が多いといっても、異常すぎますよね。
そんな中、主人公のランチョーはかなり風変わりな生徒で、
大学や学長の成績や就職率重視の教育に「それは学びではない」と異を唱えます。
生徒を自殺に追い込んだ学長に「自殺ではなく殺人」と非難を浴びせたり、
ルームメイトのファルハーン、ラージューと一緒に学長に盾突き激怒させます。
奔放だが切れ者なランチョーが、成績偏重する教授や学長を、
突拍子もない方法でギャフンと言わせるのが痛快なドタバタ喜劇です。

ランチョー、ファルハーン、ラージューの3バカトリオですが、
ランチョーはある町の名士の息子でお金持ちで、成績も学内1位です。
しかし、ファルハーンは工学よりも写真に興味があり、成績は下から2番目。
彼は親からエンジニアになるように圧力を掛けられ、仕方なく勉強しています。
ラージューは家が貧しく、エンジニアになって家族を養おうと頑張りますが、
その重圧で成績が伸び悩み、成績は学内最下位、落第寸前です。
3人は親友ですが、その状況には大きな隔たりがあり、
学長はそこに付け込んで3人の分断を謀ります。
特に窮地のラージューはまんまと策に嵌り、何度も袂を分かちますが、
その度にその危機を乗り越える熱い友情も描かれた青春ドラマです。
とはいえ、彼らの通うICE工大は倍率200倍の超難関大学なので、
最下位とはいえ、ファルハーンもラージューも超エリートですよね。

ある日、酔っぱらって学長の家に侵入し、そこで放尿するのを目撃されたラージューは、
学長から自分が退学になるか、親友ランチョーを退学させるか選択を迫られ、
学長室の窓から身投げしてしまいます。
結局大怪我するも命は助かりますが、頭を打って意識が戻らず…。
ランチョーとファルハーンは彼の意識を回復させようと必死に頑張るが…。
…という展開があるのですが、本作は入れ子構造となっていて、
彼らのキャンパスライフは全て回想シーンなんですよね。
その回想と並行して、大学卒業から10年後の現在の彼らの話も描かれ、
10年後のラージューがピンピンしているため、
自殺未遂の彼が事なきを得るのはわかり切っており…。
そのため、この辺りの展開にはちょっと停滞感があったような気がします。

現在の話は、卒業後に行方不明になったランチョーを、
ファルハーンとラージューが探すという内容です。
シムラという街での目撃情報を得た彼らは、そこに行きランチョーを訪ねますが、
なんとそのランチョーは別人で、彼らの親友ランチョーは一体誰だったのかという展開。
それがちょうどインターミッション前の展開で、後半はまた長い回想から始まるのですが、
そんな大学時代の話よりも今のランチョーの行方や正体の方が気になって、
回想に集中できない状態が長く続きました。
そこにちょうどラージューの自殺未遂事件があったので、余計に停滞感を覚えたのかも。
その後、また現在のシーンでファルハーンたちがシムラのランチョーを問い詰め、
親友のランチョーが彼の替え玉であり、本当は彼の使用人の息子だとわかります。
とりあえず正体はわかったので、そこからはまた集中して観ることができました。

そのランチョー探しの旅には、2人の他にチャトゥルという同級生も同行します。
彼はランチョーたちの親友ではなく、学長側の生徒で云わばアンタゴニスト。
エリートでしたが成績はいつも学内2位で、1位のランチョーに敵愾心を持っています。
敵対する学長側な立場上、大学時代も現在もランチョーたちに酷い目に遭わされますが、
よく考えてみると彼自身は何かランチョーたちに嫌がらせをしているわけでもなく、
(まぁテスト期間中に同級生にエロ本差し入れしたりしたけど…、)
最後の最後まで酷い目に遭わされ続けたのはちょっと気の毒かもね。
あの自殺幇助同然の学長でさえ、終盤は良心を垣間見せるシーンがあったのに…。

それにしても、最後のランチョーのネタバラシは正直予想通りのオチだったのに、
そこに至る一連の流れが何ともお洒落で、とても感心しました。
ファルハーンが写真家になるために、頑固な父親を説得するシーンも感動したし、
恋人ピアの姉の出産シーンや、学長との和解シーンも素晴らしく、後半は感動の嵐です。
そんなちょっとシリアスなシーンでも笑いを忘れないところも粋でした。
本作の合言葉「Aal Izz Well(うまーくいーく)」ってフレーズも、
なんだかポジティブになれるいいフレーズです。
とても素晴らしい友情ドラマで、痛快で感動的な映画でした。

…が、学歴競争や教育問題を揶揄するという意味では、もうひと押しかな。
結局、成績偏重の教育を否定するランチョー自身が超成績優秀だし、
しかもそれは努力で得たものではなく才能によるところが大きいです。
彼の持論である「優秀なら成功は後から付いてくる」なんて、
結局のところは「優秀じゃないと成功できない」と言ってるのと同じ。
そんなことは端から優秀な天才だから言えることで、
努力しても優秀になれない人間はどうしたらいいのか…。
これといった才能もなく、成功も出来ないボクは、苦笑いするしかないです。

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