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図書館戦争

自宅と職場の近くに、わりと大きな図書館があるので、たまに利用します。
ボクは普通の本は読まないので、もっぱら雑誌や新聞を読んでいます。
雑誌なんてけっこう何でも揃っているので、大きな図書館が近くにあると、
書店で本を買ったりするのがバカバカしく思えてきますね。
飲み食いしながら読めないのがちょっと残念ですが…。

と、思っていたら、飲食しながら本が読める図書館の話をNHKの報道番組で知りました。
佐賀県にある「新・武雄市図書館」ですが、館内にコーヒーショップが併設されており、
コーヒーをすすりながら本が読めるみたいで、NHKですから企業名は出しませんが、
どうやらTSUTAYAが運営しているみたいで、コーヒーショップはスターバックスでした。
それでもちゃんとした公立図書館なんだそうですね。
これは正直、かなり羨ましく、是非我が町にもほしいと思うのですが、
レンタル業であるTSUTAYAがタダで本を貸し出しているんだから、
どうやって儲けているのか謎です。自治体からの委託料だけなのかな?
最近の図書館はCDやDVDの貸し出しもあるし、もし店舗数(館数)を増やせば、
本業のレンタル業を圧迫しそうな気がするので、あまり事業拡大しなさそうかな。

ということで、今日は図書館を巡る物語の感想です。

図書館戦争
図書館戦争

2013年4月27日公開。
ベストセラー作家・有川浩の代表作である人気シリーズを実写映画化したSFアクション。

メディアに対する取り締まりを正当化する法律“メディア良化法”が施行されてから30年がたった日本。読書の自由を守るための自衛組織“図書隊”の隊員にかつて助けてもらった笠原郁(榮倉奈々)は、憧れの図書隊員になる。担当教官・堂上篤(岡田准一)の厳しい指導を受け、女性で初めて図書特殊部隊に配属された郁。そんなある日、図書隊とメディア良化委員会の対決が避けられない出来事が起きる。(シネマトゥデイより)



2011年のボクのベスト日本映画だった『阪急電車』。
その原作者の代表作が『図書館戦争』シリーズだそうです。
昨年はアニメ映画化もされ、とても気になっていたものの、
テレビアニメの劇場版だったようですが、ボクはテレビアニメは未視聴で…。
「ちゃんと楽しみたいからテレビアニメを見てから鑑賞しよう」と決心したものの、
結局行動に出ることはなく、ズルズル先延ばしに…。
そんな折、『図書館戦争』が実写映画化されると聞き、
「それなら実写版を先に観よう」と思った次第です。
で、その実写化されたのが本作なわけですが、予想以上に面白く、
テレビアニメと劇場版も是非チェックしようと思えるほどでした。
まぁ『阪急電車』と同じ原作者とは思えないような内容で驚きましたが、
もともとは本作のようなミリタリー系が得意な人みたいですね。

舞台は昭和63年に「メディア良化法」なる架空の法律が施行された世界で、
元号も平成ではなく「正化」となった、いわゆる歴史改変SFです。
「メディア良化法」は国家によりメディアの検閲を正当化するための法律で、
それの執行機関として武力行使も辞さない「良化隊」なる軍隊が設立されます。
その弾圧に対抗する図書館が「図書館の自由に関する宣言」に基づき、
正化16年に発足させたのが防衛組織が「図書隊」です。
「図書館の自由に関する宣言」も架空のものかと思ったら実在するものなんですね。
本作では図書隊と良化隊の抗争が描かれます。
設定的にはかなり無理があると思うし、説明不足なのも否めませんが、
本作はそんな奇抜すぎる世界観の中で、鬼教官とその部下という、
わかりやすい鉄板ロマンスに仕上げられているため、
設定の不備はそれほど気にならなかった気がしますね。
ロマンスと言っても、実際に恋愛にまで発展することもなく、
そのプラトニックな感じも爽やかでよかったです。

原作やアニメ化作品を知らず、イメージが固定化してないからかもしれないけど、
本作のキャスティングはかなり素晴らしかったように思います。
中でも図書隊の堂上教官を演じる岡田准一が嵌り役でした。
彼はジャニーズの中でも随一の役者だと思いますが、
特にアクションを彼くらいちゃんと出来る俳優は、ジャニーズに限らずとも珍しいです。
役に説得力があるし、内面的なかっこよさも感じられます。
外見的には、イケメンだけど「チビ」って設定がいいですよね。
ジャニーズの某アイドルは、自分より背の高い女優は共演NGだとか聞くけど、
彼の場合はコンプレックスになりかねない低身長をちゃんと役に活かしているので、
本物の役者だと思います。(本作では実際の身長より低く見えるかも?)
その相手役となる笠原隊員を演じる榮倉奈々も、
全然イメージになかったけど、けっこう背が高いんですね。
背は高いのにドジで頼りない感じが、妙に可愛いです。
あと、笠原の同僚・柴崎を演じる栗山千明。
美人司書(?)役が似合いすぎて、いつもの2倍魅力的でした。

「図書館の自由に関する宣言」に基づく図書館法により、
図書館だけは良化隊による検閲を一応免れているわけですが、
無差別殺傷事件を起こした犯人の少年の部屋から、
検閲対象のホラー小説が発見され、検閲を支持する世論が高まります。
現実にも殺人犯の自宅からホラー映画が大量に見つかったり、
小児性犯罪者の自宅から児童ポルノのアニメが見つかったりして、
その犯罪が映画やアニメの悪影響であるみたいな論調になったりしますが、
なんでも映画やアニメのせいにするのは、やっぱり安易だと思いますよね。
本作でもそう言及されますが、安易とはいえ、全くない話ではないです。
実際に『ダークナイト』に影響されて、映画館で銃乱射する奴はいるんだし、
作品から影響を受けすぎる、どうしようもない奴は残念ながらいます。
そんなイレギュラーなアホのために、全てが規制されるのは間違いですが、
起こってしまった事件に対しては、その原因をちゃんと究明すべきです。
良化隊は犯人の少年の貸出記録の開示を図書館(関東図書基地)に求めますが、
図書隊は「図書館の自由に関する宣言」の第三項、
「図書館は利用者の秘密を守る」を理由に開示を拒否します。
一般感覚からすると、そんな殺人鬼の秘密なんて守る必要ないと思います。
それが原因で重傷者が2名も出る大規模な武力衝突が起きるなんてバカバカしいです。
実際の図書館は、もし警察が令状持ってきても貸出記録の開示はしないのかな?

要するに図書隊側も良化隊側も、やることが極端なんですよね。
もちろん本作を作っているのは、あめり検閲を強化されては困るメディア側の人間なので、
良化隊を血も涙もない極悪非道な組織として描いていますが、
ボクは検閲はある程度必要なのではないかと考えています。
やっぱり公序良俗に反する吐き気のするような有害図書ってあるし、
それを表現の自由としてのさばらせておくのは我慢ならないです。
(基本的に東京都青少年育成条例にも賛成でした。)
まぁボクは本を読まないのでそう思うだけかもしれませんが、
大好きな映画にしたって、もっと規制されてもいいと思ってます。
『藁の楯』をG指定(全年齢対象)にしてしまう映倫はやはりおかしいです。
とはいえ「登場人物が個性的で、横並び教育に反するからダメ」と、
ファンタジー小説を検閲対象にしてしまう良化隊はさすがに無茶苦茶です。
なのでボクは図書隊も良化隊も正しいとは思えない宙ぶらりんな感じで観ることに…。
物語としては、もっと図書隊に正当性を持たせてほしかったかな。

と言っても、たかが本の検閲で武力行使をする時点で正当性も何もないですね。
日本人同士で殺し合いするというのも、何だか情けない気持ちになります。
実際には殺し合いではなく、図書隊は専守防衛で発砲の威嚇射撃のみなので、
一方的に攻められるだけで、陣地(図書館)を一定時間守れば勝利になります。
劇中で図書館の来場者も言ってましたが、まさに「戦争ごっこ」です。
実弾を使ったサバゲーと大差なく、不毛な争いに感じてしまいます。
良化隊は国家機関なので税金で運営されているでしょうが、
図書隊の運営費はどこから出てるんでしょうね?
公共図書館なので来場者からレンタル料を取ったりはしてないだろうし…。
何にしても壮絶なお金の無駄です。

ある私設図書館が閉館することになり、その貴重な蔵書が、
関東図書基地である武蔵野第一図書館に寄贈されることになります。
ところがその蔵書は、メディア良化法が可決された時の不正が記されており、
良化隊はその蔵書を始末しようと、蔵書を輸送する図書隊に攻撃を仕掛けます。
この攻防は本作のクライマックスとも言うべき、大規模な戦闘なのです。
でもどうにも腑に落ちない点が…。
私設図書館の蔵書は個人の所有物であるため、良化隊は手が出せません。
たぶんメディア良化法は、検閲対象図書の販売は禁止しているものの、
単純所持までは規制できていないんでしょうね。
そうだとすれば、蔵書を公共図書館に寄贈するのではなく、
例えば図書隊の仁科指令など個人に譲れば、
良化隊も指を咥えて見ているしかないはずです。
なのでやっぱりこれも、無駄な武力衝突だった気がします。
まぁ結局、良化隊のバックにいる良化委員会は、
蔵書を奪うために仁科指令を誘拐するなど違法行為に出るので、
良化委員会にとっては法律なんて関係ないわけだけど…。
でも検閲対象図書の販売が禁止されている割には、
反国家的な論調の雑誌「週刊新世相」なんかは野放しですよね。
もしかして発売前に検閲するんじゃなくて、書店に並んだものを押収するだけなのかも?

「設定の不備は気にならない」なんて書きながら、
設定の納得できない点ばかり挙げた感想になっちゃいました…。
でも本当に、青春ロマンス映画としてはとても清々しい物語なので、
とても楽しめる作品だと思います。
同じ原作者の映像化作品としては、来月『県庁おもてなし課』が公開になります。
こちらもジャニーズの中で好きな俳優のひとりである錦戸亮の主演作なので、
期待して観に行きたいと思います。

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